【レポート】大学生のあすびと塾 第2回@東京

  • 大学生
  • 2016.5.19 Thu
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大学生になったいま、本気で“実行”を目指す


今年の春から新たにスタートした「大学生のあすびと塾」は、毎月郡山で開催している「高校生のためのオープンスクール」の大学生版。これまでオープンスクールで徹底的に自分の志を深めてきた高校生たちのうち、東京の大学へ進学した4名の学生を中心に東京事務所で始まりました。

 

高校生たちに伴走するのは、これまで企業研修などでご縁をいただいた社会人の方々です。第2回目となる今回は、学生・社会人ともに“福島に関連ある”各自の事業アイデアを持ち寄りました。

4月26日(火)に開催された第1回目では、大学生の歓迎会を開催。大学生らと社会人らが顔を合わせ、互いを知る機会となりました。「大学生のあすびと塾」では、大学生が主役となり、大人が伴奏者として福島のために役立つ新しい事業を立案・実行していきます。

三菱商事からは大学生と年齢も近い桜井さん、萩原さんも参加し、気さくな様子で場をあたためてくださいました。初対面の人も含め、社会人5名が集まった第2回「大学生のあすびと塾」開始です。

 

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東京に住んでいても、福島のためにやりたいことはこんなにある


NEXCO中日本・岩田さんからクラウドファウンディング事業への応募機会をいただいたことから、学生のみならず社会人からも様々な事業アイデアが持ち寄られました。出た事業案をいくつかご紹介します。

 

ひとつ目は社会人側・戸田悠子さん(経済産業省)からの提案で、「SOUP(スープ)」というピッチイベント。ピッチとはアメリカのシリコンバレーで、起業を目指す若者たちがみずからのアイデアや商品を投資家たちにプレゼンするイベントから来たもの。

 

SOUPは「社会の問題を解決するような事業を地域の人々に提案し、オーディエンスである地域の人を巻き込んでいくモデルとしてやっていきたい」という内容でした。来場する地域住民にとっては、参加費1000円を払えばおいしいスープを飲みながら楽しめるイベントになる、参加費がピッチャーの活動資金になるなど、プレゼンテーション資料で仕組みを説明してくださいました。

 

これに対して学生からは「地域をよりよく知れると思う」といった意見のほか、ピッチャー経験者としての本音も聞こえてきました。「自分の好きな福島が誤解されて悔しい」との思いから高校生が伝えるふくしま食べる通信を立ち上げた菅野智香さん(明治大学1年生)はこう話します。

 

「お金ではなく人との繋がりがほしかったな、と思います。投票者が“こういう形で協力・応援します”など、私たちが必要とすることをできる“人とのつながり”が嬉しいです」

 

これに対して山本幸輝くん(東洋大学1年生)からは、「“お金さえあれば、あとは始められる”という人が登壇すれば実行につながりやすい。ピッチとは本来、資金を得て実行するための場なのでは」といったピッチの役割についても考える声が上がりました。

 

「起業経験がない人、応援するけれども批判はしてくれない人が集まっても、このピッチで決まって、いざやるとときに地元の合意がとれるのか疑問。集まる層の検討が必要だろう」と鈴木敦己くん(東京大学1年生)。

 

白熱した意見交換の最後、あすびと福島代表の半谷からは「高校生にとっては発表する場、そのものが次の一歩を踏み出せるきっかけになる。ピッチの目的をしぼるのを大事にしてほしい。」といったメッセージもありました。

 

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学生と社会人、ともにスタートに立つ


ほかには、南相馬の伝統的なお祭り“相馬の野馬追い”を例にした「説明しにくい地域の魅力を伝える動画コンテンツづくり」の提案も。実際に騎手を経験している山本くんの「本当の魅力は動画では伝わらない」といった言葉から、動画が担うべき役割・可能性についても意見が交わされました。

 

その後も「高校が伝えるふくしま食べる通信」の読者と双方向性のつながりができる事業、出身の浪江町に人が集まり自己実現できる場所をつくる計画などが熱意のこもって語られます。

こうふく通信に携わってくださっている朝比奈信弘さんからは、農業従事者の負担を減らす、ワンタッチ式ビニールハウスの提案などが提案されました。課題をプロダクトデザインの形で解決に導いている朝比奈さんの考え方は、大学生にとって勉強になりました。

 

ひとりのアイデアをその場にいる全員が本気で考え、可能性を模索していく3時間はあっという間。学生と社会人が互いに感化しあい、協働していくスタート地点に立った第2回となりました。

最後にはNEXCO中日本の岩田さんより、クラウドファウンディング事業に関する今後の展開の紹介があり、本日の内容は終了。

 

「お互いの人生を力強く生きるには様々な方法論があり、いくつになっても模索していくもの。ともに模索しながら、みなさんそれぞれの人生にとって価値の高い場にしていきたい」(半谷)

 

今後は具体的な事業内容の検討に入り、実行を目指して進んでいきます。

 

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【NEXCO中日本様】中堅社員研修

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