大学生たちとオンラインあすびと会 ~ withコロナの3か月を振り返る内省から未来へ~

  • 大学生
  • 2020.7.2 Thu
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コロナの「非日常」を言語化することは未来に向き合うこと

 

すっかり画面上で顔を合わせるスタイルが定着した「あすびと会」。6月28日(日)に、約1か月ぶりに第4回目となる「オンラインあすびと会」を開催しました。

社会人プロボノの皆さんに壁打ち相手になっていただきながら、今回は9人の大学生たちとともに3時間の内省の時間を持ちました。

 

テーマは、「この3か月のかつてない異常な日常を言語化し、これからの新たな価値づくりに活かそう」。

東日本大震災後に東北でリーダーが生まれたように、コロナの「非日常」の事態に向き合い共存していく中で、日本中・世界中で新たな価値を創ることに挑戦するリーダーが生まれていくのではないでしょうか。このコロナを未来志向で捉え自分や社会の未来へと内省し、始めは小さくても何らかの行動に踏み出すことは、学生たちの成長に繋がると思うのです。

 

・振り返ると、批判を受けないように移動したように思う。感染よりも批判を恐れていたのでは。
・リモートワーク、オンラインの環境。このような有事の時にこそ、イノベーションが起こり、技術が活かされることを痛感した3か月。
・パンデミックが経済活動を止め、仕事がなくなることを認識させられた。コロナが収束しても再び別のウイルスが猛威を振るった時、自分が社会人として仕事をしていたらどうなるだろうか?自分が将来就く仕事に対しても考えるきっかけになった。
・コロナとの共存を意識ながら少しずつ日常を取り戻し始め、「避ける」行為から「共存」の発想に切り替わってきた。それは社会課題に向き合う姿勢そのものであり、避けるよりも、マイナスをプラスに考える発想を大切にしたいと思った。

 

 

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現在、大学の自治会長を務める学生のコメントも印象的でした。「このコロナ禍においては、先輩が残したマニュアルやノウハウが役に立たない。しっかりと引継ぎしていても、前例が役立たない現実にぶつかっていた3か月だった」と心境を吐露してくれました。

after コロナへの「非連続」を端的に物語った経験ですが、それに対して彼女はたじろがず、社会の転換点だという意識を持って向き合ったといい、その経験を今後の就活、社会に出た時にどう昇華させていくかを考え続けたいといいます。

このように、学生によるwithコロナの非日常の振り返りは、過去、現在そして未来に向き合う視点が実に多様で、それをしっかりと言語化したことによって、さらに内省が深まり、新たな行動への第一歩を踏み出すことが期待されます。

それらを踏まえつつ、あすびと福島の代表は、一つの考察を投げかけました。

 

 

 

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私たちは、75年周期で繰り返される「志」の時代を創ろうとしている

 

 

日本の近代史を振り返ると、日本の転換期として「明治維新」がありました。欧米列強から日本を守ろうとした志士たちの行動によって新しい日本が創生されます。
しかし、富国強兵を目指すあまり、軍国主義に陥り、明治維新から75年後、敗戦によって日本はすべてを失います。
そこから日本再建の志を抱いた先人たちが高度経済成長へと走り出し、バブル期を絶頂に経済大国として新しい日本が創られてきました。
しかし、戦後から75年、行き過ぎた金融資本主義、グローバル化によって、全国民が豊かになるはずだった日本に貧困や格差が拡大し、日本は不透明、不確実な時代を迎えています。
大震災とコロナの非日常は、いわば幕末の黒船であり、日本に新たな価値を創る大きな転換点です。そして、明治維新も薩長土肥の小さな集団から始まったように、「小さなこと」でも行動していくことが最も大切なのです。

福島の非日常とコロナの非日常の中で内省を深め、「ありたい社会、ありたい自分」を創るこれからの時代は、明治維新や敗戦と同様に大きな転換期であり、この時期に大学生活を送る学生たちにとって、あすびと会が一層の成長の場となることを心から願います。

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