”あすびと”へ向かって前進する山本幸輝くん

  • “あすびと”たち
  • 2016.4.4 Mon
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”あすびと”へ向かって前進する山本幸輝くん

 

福島県福島市の県立福島西高校3年の山本幸輝くん。

2016年3月に高校を卒業し、4月からは東京で大学生活がはじまります。

2016年2月の「高校生のためのオープンスクール」で、自分の志をどのように見つけ育ててきたのか、後輩たちにエールを送ってくれました。

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このオープンスクールの場には、自分のやりたいことを見つけにくる人もいるかもしれない。でも、やりたいことはすぐには見つからないと僕は思う。

自分はスポーツが好きだが、小学校から今まで、野球、バスケットボール、バドミントン、といろんなスポーツを経験してきた。そのどれもが楽しかったが、長く続ける熱意を持つほどではなかった。そんな中、高校で始めた駅伝は本当に熱中し、高校生が終わる今頃になって、本当にやりたいことを見つけることができた。だからみんなも、自分のやりたいことは焦らずに見つけていってほしいと思う。

 

自分にはもう一つやりたいことがある。

それは自分の故郷である福島県浜通りの浪江町に関わっていくことだ。

 

その思いを言葉にできたのは、高校2年夏のときに参加した、高校生を対象にソフトバンクが主催するアメリカでの研修だった。今までは地元や校内の友人としか話す機会がなかった中、アメリカという今までとまったく違う環境で、校外の友人たちからも刺激を受け、やりたいことを見つけなきゃいけない、と強く思った。そこで「浪江が好き」という言葉をはじめて口にだすことができた。言葉にできたことをきっかけに、浪江に関わりたいという想いがどんどん強くなっていった。

 

避難指示が続くため、故郷である浪江にいれないことは自分にとってショックで、浪江についてもっとみんなに知ってもらいたいという気持ちがあった。でも、高校生が企画するツアーの事例などを知ってはいたものの、自分がやりたいことかどうかの確信が持てず、なかなか行動することができなかった。悩み続けた結果、自分のやりたいことは「浪江のまちづくり」だということに気が付くことができた。アメリカから帰国して半年も経ってしまったが、2015年3月、浪江のまちづくりに関するイベントを浪江の友人と開催することができ、そこで自分のやりたいことに確信が持てた。何かしたいという想いがあるときに、目の前の事例や答えに飛びつかず、じっくり自分と向き合ったことが結果としてやりたいことを見つけることにつながったのだと思う。

 

イベントを開催して強く感じたことは、まちづくりには多くの要素が関わってくるということだ。地元の人に関わってほしいとは思う一方で、地元の人だけでは地域にとって本当に必要なものを選べなくなるとも思った。他の地域や外国の事例など、外の人の意見も取り入れて、選択肢を数多く作り、そこから選べるような状態を作りたい。

 

2016年4月からは東洋大学に進学する。

学業という面においては言い訳を作って逃げていた時期もあったが、3年生の秋からは今までにないくらい勉強し、合格することができた。

陸上もいちばんきついところから逃げたらタイムは上がらない。自分のやりたいことがあるならしんどくても逃げない方がいい、ということをみんなには伝えたい。

 

  

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