南相馬の子どもたちがつくったバイオガスが聖火のタネに
あすびと福島(本部:南相馬市原町区、代表理事:半谷栄寿)では、本年6月から南相馬ソーラー・アグリパークにおいて、
南相馬市新エネルギー推進課からの委託事業として「再生可能エネルギー体験教室」の企画・運営を行っております。
体験教室では、南相馬市再生可能エネルギー推進ビジョンに基づき、再生可能エネルギーや省エネルギーの取り組みに
対する理解と普及を図るため、自然エネルギーについて「知る」「つくる」「使う」ことなどを楽しみながら体験できます。
この体験教室では、大学、企業などと連携して自然エネルギーを学べるオリジナルプログラムを企画・実施し、
今年度、全15回の開催を予定しています。
本年、6月11日(土)に東北大学大学院農学研究科の多田千佳准教授を講師に招き、第1回再エネ体験教室
「家庭で出た生ごみをエネルギーに変えよう!!」を開催いたしました。
教室では、子どもたちが家庭の生ゴミから「バイオメタンガス」というエネルギーを生み出す実験を行い、
事前に仕込んでいたガスでお湯が沸くことを体感しました。
目指すは東京五輪・パラリンピック
この体験教室で子どもたちが仕込んだガスの一部が、このたび、10月10日(祝・月)に
石巻市総合運動公園で行われた、2020年東京五輪・パラリンピックの聖火リレー出発地の
誘致を目指すイベントの聖火点灯式において使用されることが決まり、
同日、再エネ体験教室にて多田先生の教室に参加した2名の小学生がが点灯式に参加しました。
イベントでは、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた国立競技場の建て替えに伴い、
宮城県石巻市に貸与されている旧国立競技場聖火台の聖火を再生可能エネルギーバイオメタンガスで灯します。
この聖火台は、16年3月6日にも東日本大震災から5年を前に、被災地の復興を願ってバイオメタンガスで聖火が灯されています。
当日は、前日までの天気とは打って変わっての晴天のなか、イベントが開催され、
子どもたちが聖火台を磨いたり、模擬聖火リレーが行われました。
模擬聖火リレーでは、聖火を灯したトーチを聖火台まで地元の小学生がリレー。
聖火台にトーチが到着すると、聖火台で待ち受けていた東北の子どももたちが
バイオメタンガスをトーチに供給しました。すると、聖火台からは大きな炎が燃え上がり、
子どもたちや見守っていた参加者の皆さんから大きな歓声があがりました。
今日のイベントのために、南は沖縄から北は北海道と様々な場所で作られた
バイオメタンガスが約400ℓも集まったそうです。
参加した小学生は、「自分たちの家庭の生ゴミからつくったガスが聖火になるとは思わなかった。
2020年の東京オリンピックの聖火もバイオガスでつくってほしい」と感想を話してくれました。
会場では、2020年のバイオガス聖火実現に向けてオンライン署名を始めることも発表され、
東京五輪に向けた多田先生の新たな挑戦がはじまったことを子どもたちと一緒に感じることができました。
この未来に向けた大きな挑戦を南相馬の子どもたちとともに応援していきたいと思います。