リーダーシップの本質を多様に描く大学生たち
トライアルを含めてオンラインでの3回目の「あすびと会」を5月17日に行いました。本来なら3か月ごとに1回、福島ゆかりの大学生たちが東京に集い、近況共有と内省の時間を持つ「あすびと会」。コロナの緊急事態の中で東京開催は持ち越しですが、頻度は2週間に1回となりました。今回も、14人の学生たちとあすびと福島のスタッフ一同、PwCのプロボノの皆さんと対話を深めていきました。
テーマは、「コロナ非常時にこそ共感するリーダーシップ(リーダーの資質)とは」。
まずは4つのグループに分かれて、コロナに対応にするリーダー(政治、医療、学者、事業者、メディア、一般人・・・)の様に対して持った自分の感性から、リーダーシップを自分の言葉で話し合いました。個別のリーダーの評価・批判ではなく、いわばロールモデルとして共感するリーダーシップを共有しようとしました。
臨機応変さ、全体を包括して考える幅広い視野、自信と責任、アクションプランの明示、伝わる言葉を選ぶセンス、安心感のある振る舞い、多様な立場を慮る想像力、目線を同じくする姿勢、誰かを守るための正義と誠実……学生たちが共感するリーダーシップの本質は実に多様。
続いて、各人が言語化したリーダーシップの本質をもとに、「自身が将来どんなリーダーシップを身につけたいのか、そうなるためにどう行動していくのか」について内省していきます。
知性と感性、サイエンスとアート、志、人格、技術、さまざまな方向から「自分自身に求めるリーダーシップ」を「自分の言葉」にして、一人一人が発表し全員で共有しました。
授業、アルバイト先、部活など、自分の身近な環境の中で、ありたいリーダーシップをさらに描いていく。
大学生たちはこれから、リーダーシップを学問的にも学んでいくでしょう。そして、一日一日の行動や経験の積み重ねによって、「自分自身のありたいリーダーシップ」が、よりはっきりとした輪郭として見えていくことでしょう。
「どんなに小さくてもいいから社会的な価値づくりに向かって自分がやりたいことを諦めずに続けていく過程で、自分が感性として求めるリーダーシップと知識として学んできたリーダーシップが重なり合う瞬間が必ず来る」と、あすびと福島の代表が学生たちに向かって語り掛けます。
「誰しも初めからリーダーなどいない。志・目的に向かって失敗しても思考を停止せず手段を尽くして行動を繰り返すことで、リーダーシップが徐々に育まれていく。リーダーシップへのプロセスは「掛け算」であり、とくに大切な誠実さに欠けると全体としてゼロに戻ってしまう。リーダーシップは、その要素がわかっていながら、フォロワーに共感を得る真の姿を身につけるのが難しいのは、地道な掛け算の連続が試され問われるからだ」と、代表の熱を帯びた信念が続きました。
今回のセッションでも、
「リーダーという存在については無意識に避けていたが、「リーダーシップ(リーダーの本質)」という視点で捉えると、自分の中にも育んでいきたい」
「まずは、目の前のことから行動し、トライ&エラーを繰り返していきたい」
「対話の中で、アイディアや言葉が出てくるようになってきた。熱量がチャージされた」
「リーダーシップには周りへの優しさに目を向けることも大切で、「共感力」を磨きたい」
「リーダーシップというテーマによって、フォロワーシップのあり方も見えてきた」
と、学生それぞれに気づきと学びがありました。
コロナ禍の混沌とした非日常の中でも、自分の心の声に向き合い、対話を通してポジティブなエネルギーに変える場として「あすびと会」を活用してもらえたと実感した3時間でした。
このようにオンライン・セッションの価値を確認できた私たちですが、「それでも、みんなと会いたい」と素直な気持ちを伝えてくれた学生の言葉を改めて嬉しく思いました。オンラインであってもオフライン(顔をあわせた場)であっても、「あすびと会」は、学生それぞれにとってのサードプレイスとして寄り添っていきます。
今回、大学の授業で出された課題に対応するなどのために参加できなかった学生もいました。アルバイト先が営業を再開したため忙しくなるという声も聞きます。せっかくのサードプレイスが学生メンバー自身にとって大切な内省の場となり続けられるよう、しっかりとテーマを設定し、時間的にも無理がないように、オンラインでは毎月1回程度の開催を志向します。
そして、コロナの収束時は東京で顔をあわせた場(オフライン)に集いましょう。コロナの第2波・第3波があっても、今回のようにオンラインで繋がっていきましょう。
私たちは、必ずコロナと共存できるようになります。その先には、新しい価値づくりの時代が私たちのリーダーシップ「創生への志と行動」を待っていると信じます。