11月27日(日)、福島市にて「高校生あすびと塾」を開催しました。
今年度6回目、通算28回目となった今回は、浜通り、中通りから
6名の高校生が集まりました。
いつもより少人数となったこの日は、一人ひとりが考えを深め、
発表する時間をじっくりととりながらの内容に。
前半では「地元や自分の生活圏について感じていること」をテーマに発表し、
身の回りの何気ない出来事や地元でやりたいことに、改めて向き合っていきました。
さらに後半は、半谷の事業開発にまつわるケーススタディなどを通して、
事業を始めるときの思考方法や仮説構築力について学んでいきました。
ゴミ拾いをスポーツに。高校生が始めたゼロゴミッション
午前中は、南相馬市から参加した高野くんによる「ゼロゴミッション」の紹介でスタート。
まちを歩きながら、楽しくゴミ拾いをしようというこの活動は、
高野くんら高校生たちが中心となって立ち上げました。
12月4日は第3回目の開催を控えているということで、
「気持ちを整理するために来ました」との意気込みと共に活動を説明してくれました。
国際交流プロジェクトへの参加し、カリフォルニアを訪れた高野くん。
多くの熱意ある人々に出会い、「自分はこのままでいいのだろうか」と考えたそう。
そこで思い至ったのが、地元・南相馬の自然豊かな風景でした。
けれども、まちなかにはゴミも多い。
自分にも何かできないだろうか、と立ち上げたのがゼロゴミッションの活動です。
ゴミ拾いをスポーツにしよう、楽しみながらまちをきれいにしよう。
地域の高校生たちを中心に思いの輪は広がり、1年がたとうとしています。
当日、突然の振りにも臆することなくはっきりと説明できるのは、
この活動がほかの誰でもない”自分自身のもの”になっているからでしょう。
「3回目をむかえるにあたり、心から”南相馬のために協力したい”、
”いつもお世話になっている人に感謝を込めて活動したい”という気持ちが強くなってきた」
そんな心情の変化を語ってくれました。
始まりは、自分の生活圏を語ることから
高野くんの活動紹介を受けて、半谷は高校生たちにこう問いかけます。
「地元や自分の生活圏について、どんなことを考えているだろう」
真の国際人とは外国語ができるということではなく、
自分の国について知っていることだと半谷は言います。
相手の国の知識があっても、言葉が通じても、
自国のことを知らなければ互いを尊敬し合うまでには至らない。
その第1歩として、まずは地元や自分の生活圏について思いを巡らせ、
グループごとに共有していきました。
小学生で東日本大震災と原発事故を経験した彼らのなかには
地元「福島」に対して並々ならぬ思いを持ち、行動している人もいます。
「自分自身が福島の事を知らなければいけないし、知るだけで終わらず、伝えていきたい」
「お年寄り1人を失うことは、図書館をひとつ失うことと同じ、と本で読んだ。
私たちが知らない世界、体験していないことを考えるには、
いろんな世代、いろんな答えを持っている人と話したい。
それを体系化した上で、発信していきたい」
地域に対して「もっと知りたい」という前のめりな姿勢を持ちつつも、
自分のなかで終わらせず、「伝え手」としての役割をも意識した意見も。
自分にできることを考え、まわりを動かしていこうとする意欲的な姿がありました。
あすびと塾ではぶれない「志」を明らかにすることを目指し、
「手段は何度失敗してもいい」ということを繰り返し説いてきました。
「伝えたい」という言葉が多く聞かれるなど、
徐々に「どうやるか」という手段の部分が
明確になりつつあるようにも見受けられました。