「高校生が伝えるふくしま食べる通信」オープンミーティングが開催されました

  • 高校生
  • 2016.10.20 Thu
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10月15日(土)、東京・神保町にて、食べ通オープンミーティング vol.4
「高校生が伝える ふくしま食べる通信(以下、こうふく通信)」活動報告会が開催されました。

 

毎月、全国の編集長らを招いて東京で行われているこのトークイベント。
今回は我がこうふく通信編集部の高校生たちをゲストに、会場が満席になるほどの方々にお越しいただきました。

高校生たちにとっては、活動の説明やみずからの思いを伝えさせていただく、またとない成長の機会となりました。
当日の様子をご紹介いたします。

 

ぶれない志と熱意が「こうふく通信」を生んだ

今回のイベントは高校生の現役編集部員5名に加え、編集部OGで初代編集長でもある菅野智香さん(明治大学1年生)も参加。
入部の経緯をまじえた自己紹介のほか、こうふく通信にかける思い、取材や執筆でのエピソードなどを語ってくれました。

 

まずは事務局と編集部OGで初代編集長の菅野さんより、
「こうふく通信」創刊にまつわるエピソードや仕組みについてお話しさせていただきました。

 

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初代編集長 菅野智香さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もとは福島県内の高校生向けに開催される、「高校生のためのオープンスクール(現あすびと塾)」に通っていた菅野さん。

このスクールでは自身のやりたいことを「志」とし、実行に向けて考えを深めていきます。

 

「福島の復興には、農業や生産者の復興が必要」というぶれない思いを持ち続けた彼女は、
高校2年生のあるとき「東北食べる通信」創刊1周年記念イベントに出席しました。
そこで、福島の食材を届けたい、という思いを伝えたときのエピソードをこう語ります。

 

賛同してくれる人もいれば、『福島のものは食べないよ』と辛辣な言葉もありました。
そのときは悔しくて、『見とけよ』と絶対やろうという気持ちになって。

 

それからスーパーでの聞き取り調査を行い、県内の人は福島産の食材を買うように

なってきていることも分かりました。絶対買わない、という人は一人もいなかったんです。

 

そういう実態を知って、福島産のおいしい食べものをお届けしたいと思い、2015年の春に創刊に至りました。」

 

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入口で来場者をお迎えする、初代編集部員のパネル
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第7号まで発行されている「こうふく通信」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「福島産の食材」に対する世間からのまなざしは、決して温かいものばかりではありませんでした。
それでも実現へと突き進めたのは、ほかでもない彼女自身が心から「やりたいこと」だったから。
来場者の方々をはじめ編集部員も、初代編集長から語られる言葉に真剣な目を向けて聞き入りました。

 

「こうふく通信」はこうして出来上がる!

そのほかにも、それぞれが編集部に入部したきっかけ、担当しているコーナーや執筆にまつわる裏話などもご紹介。

 

編集部員が執筆した原稿は事務局のチェックが入り、修正を経て掲載されています。
赤ペン先生(事務局長)と部員のやり取りをご紹介するシーンでは、スクリーンに映し出された赤入れだらけの原稿に、
会場からどっと笑いが起きる場面もありました。

 

しかしながら、最新号では赤入れの箇所はぐんと減っています。着眼点や文章力の上達がありありと感じられる出来栄え。
悩みながらも書き上げた編集部員たちからは、反省を次に活かそうとする向上心が溢れていたことを振り返りました。

 

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会場からは、「しっかりしているなぁと、涙をこらえるのが必死でした」などお褒めの言葉とともに、
「生産者さんの思いを引き出す取材のコツは?」、「いい話を聞けたと思うのはどんなとき?」といった質問も上がりました。

 

「聞き出すよりも、野菜などを前にしながら横に並んでいるとき、自然といい話を聞けることが多いです」

 

「私たちが訊いたときに、『実はね』を引き出せた時に嬉しいです。ふだん語らないことを聞けるみたいで」

 

「夏号の取材で廣瀬養鯉場を訪ねました。鯉を持つときに“うまいじゃん”とほめてくれた廣瀬さんの笑顔が素敵で。
話すときに目がキラキラ輝いていたり、笑っているときに、うまく引き出せたなと思います」

 

一人ひとりがこんなポイントを気にして取材に臨んでいると聞くのは、事務局としても初めてのこと。
回を重ねるごとに、自分なりの取材スキルが身についているのは頼もしいことです。

 

初代編集長の菅野さんからは「私も紗月ちゃん(秋号の編集長)と一緒で」との言葉もあり、
後輩たちは自然と先輩の姿を見て学んでいるようにも感じられました。

 

応援は、彼女たちの成長の糧に

終盤には編集部員たちにも知らされていなかったサプライズも。
事務局長の椎根より、部員一人ひとりへの手紙を読み上げさせていただきました。

 

入部当初の自信なさげだった彼女たちを、ときに叱咤激励しながら歩んできたこれまでを振り返ります。
普段語られない事務局長のこうした言葉を聞くのは、編集部員たちにとって初めてのこと。
日々の成長を嬉しく思いつつ、これからの活躍を心から応援しているというメッセージに、部員たちも目も潤ませていました。

 

そして最後には編集部員一人ひとりから、将来への目標や思いが語られました。
「こうふく通信」での経験があったからたどり着いた、チャレンジしていきたいこと、目指したい進路について、
堂々とした態度で表明してくれました。

 

本気で問題意識を持っている編集部員たちは、「知識」ではなく「自分の考え」を語ることができます。
話し終えたときに返ってくる会場からの力強い拍手が、これからの原動力になるに違いありません。

 

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懇親会では夏号で取り上げた鯉甘露煮と大葉ペーストを使って、「恋ピザ」をご用意。

会場のあちこちで、高校生や来場者それぞれの話に花が咲いていました。

 

「もっと懇親会の時間がほしかった。話し足りないくらい」という編集部員もいたほどです。
編集部員たちは想像もしなかったほど多くの方に、あたたかい応援の言葉をかけていただいたようでした。

 

終了後は興奮冷めやらぬ様子で、「読者の方とこうして会えると、いっそう頑張らなきゃと思った」、
応援してくれる人がいるのだと実感できて嬉しい」など、喜びを教えてくれました。

 

今回のオープンミーティングは、高校生たちにとって貴重な「活動を自分の言葉で語り」、
「福島の外にいる人の声」を聞く機会となりました。

 

なかには「編集部員同士でも、なかなか話すことのなかった思いを互いに知ることができた」という声も。
以前にも増して目的意識をしっかり持ち、部員の足並みがそろったように感じられました。

 

応援してくれる人がいるということは、今後へのモチベーション・彼女たちのさらなる挑戦にもつながります。
ご来場いただいた皆さま、今回ご協力いただいた皆さま、彼女たちに成長の機会を与えていただき、本当にありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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