高校生発 ロールモデルを見つけよう!【浪江町役場の及川さん】編

  • 高校生
  • 2021.1.26 Tue
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震災から約10年が経った今でも、避難指示が解除されず住むことができない地域がある福島県浪江町。

そんな町の魅力を伝えようとPRを行っている1人の女性を取材しました。

 

<私たちの「ゆるキャラ」> (2020年12月13日取材)

 

ゆるキャラという言葉は、ここ10年の間によく耳にする言葉になりました。

皆さんは自分が住んでいる町や、地元のゆるキャラを知っていますか?

 

ゆるキャラとは、地域の魅力をPRしているマスコットキャラクターのことで、

全国でその数はなんと約1,200体!!!

 

今回私たちは、浪江町のとてもかわいいゆるキャラ「うけどん」と一緒に

町のPRに取り組んでいる浪江町役場の広報担当である及川さんにお話を伺いました。

うけどんと及川さん

 

<なみえ>

及川さんの故郷である浪江町は、震災前は約21,000人の住民が生活していましたが、

2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により6年間、町全域が避難指示区域となり、

居住人口がゼロになった町です。

 

2017年3月に町全体の2割の避難指示が解除されました。2020年12月現在では、約1,500人の住民が帰還し生活しています。

浪江町は、花や漁業による町おこしや企業誘致に力を入れていて活気が感じられる地域がある一方で、

今も震災から時が止まったままの地域もあります。

 

震災から約10年が経ち、明るい未来を感じさせる光の部分と震災の陰の部分を感じる町です。

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<うけどん誕生>うけどん

浪江町は、東日本大震災で各地に避難した町民同士の絆を繋ぎ続けようと全世帯にタブレットを配りました。

そのタブレットの使い方を楽しく教えるために誕生したのが、「うけどん」です。

 

地元の特産品である焼き物とイクラ・鮭から着想を得たうけどんは、今では町のイメージアップキャラクターとして多くの人に愛されています。

2020年10月に開催された「ゆるキャラグランプリ2020 THE FINAL」では、全国26位となり、2年連続で福島県内1位に輝きました!

 

ほんわかとした見た目のうけどんは、思わず抱きしめたくなるような可愛さです。

そして、うけどんの家族や親戚も可愛くて癒される‼(うけどん広場

うけどんは、沢山の魅力で溢れています。

132198650_774252816492861_7688705650386689661_n うけどんファミリー

 

<及川さんのこれまでの歩み>

 

及川さんは、とても優しい笑顔で私たちを出迎えてくれました 。

浪江町出身の及川さんは、震災後、岩手県陸前高田市の温泉宿で広報を担当していました。

自分の地元である浪江町が避難指示区域となり、町の人がバラバラになった現実が辛く、

一時期浪江町の話題を避けていたといいます。

 

ただそんな及川さんの周囲には、同じ東日本大震災で大きな被害を受けても、

うつむかず前向きに頑張っている陸前高田市の皆さんの姿がありました。

 

陸前高田市の仲間の姿、そして避難指示が一部解除になった浪江町で活動している人たちの姿に刺激を受け、

「今の浪江町と向き合わなければ」という思いが生まれ、浪江町に帰る決断をしたそうです。

その一歩を踏み出すには私たちが想像できないほどの勇気がいる大変な決断だったろうとお話を聞いていて感じました。

 

現在は、浪江町役場の広報として町の魅力を内外に伝えています。

浪江町をもっと知ってもらいたいという強い思いを持ち、

うけどんと一緒に、浪江町を身近に感じてもらえるようなコンテンツの制作にも力を入れています。

取材を進める中で及川さんの浪江町に対する熱い想いがどんどん伝わってきました。

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<あなたと浪江を結ぶ>

及川さんは、浪江町を知らない人に向けてTwitterアカウント「うけどん【公式】」や、

Youtubeチャンネル「なみえチャンネル」を通じて、日本だけでなく世界に向けて今の浪江の情報を発信しています。

 

その成果もあり、今では町民だけでなく、町の外から来た観光客や外国人も多く見られるようになりました。

 

浪江に興味を持ってもらいたい、もっと浪江のことを知ってほしいという及川さんの前向きな姿勢にインタビュー中、何度も心を打たれました。

及川さんは地元である浪江町について、

 

「永遠にある場所はないので今を大切にしたい、

              浪江町を誰もがチャレンジできる町にしたい」

 

とおっしゃっていました。

あって当たり前だと思っていたものが一瞬でなくなるという辛い経験をしたからこそ感じる「今」の大切さ。

そして、今を大切にするからこそどんなことにもチャレンジをしようという気持ちになる。

このメンタリティーが新しい浪江町の基礎となっていくのだろうと強く感じました。

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<高校生へのメッセージ>

・「人との縁を大切にしてほしい。」

様々なことに挑戦してきたとき、多くの人に支えられてきたとおっしゃる及川さん。

何があるか分からない人生の中で、人との繋がりは特に大切と言います。

及川さん自身、人との縁によって新しい活動に踏み出せたり、素敵な人たちに出会えたりと

人生が豊かになったと話されていました。1人1人との出会いを大切にして、

丁寧に付き合うことの大切さを伝えていただきました。

 

・「失敗しても何とかなるから、後悔しない選択をしてほしい。」

進学や就職など様々な場面で悩みながら選択をしてきた及川さん。

葛藤もある中で決断をしてきた及川さんは、後悔しないほうを選択をするといいと言ってくれました。

将来のことで悩んだ時こそ及川さんの言葉を思い出して決断をしたいと思います。

 

・「世間の情報に惑わされず、自分の目で確かめる。」

たくさんの情報に囲まれて生活している私たち。

インターネットの情報を鵜呑みにすると格差や分断の渦に巻き込まれてしまいます。

しっかり自分の目で確かめることが大事だと改めて及川さんに教えていただきました。

 

 

浪江 及川さん:コラム

 

<編集後記>

及川さん編集部 ひびき

及川さん編集部 ゆきちゃん

及川さん編集部 かやね

 

次のインタビューもご期待ください!

ロールモデルを発信していきます!

 

 

 

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