街の暮らしに溶け込む再生可能エネルギー
7月3日(日)、第2回目の再生可能エネルギー体験教室は、南相馬を飛び出して宮城県鳴子市へ!
目指すは、第1回目の講師にきていただいた多田先生が作った、「エネカフェメタン」。
宮城県鳴子温泉の中心街にあるこの「エネカフェメタン」は、温泉熱と食品廃棄物由来のメタンガスでホットドリンクを提供するカフェ。
ここで提供されるドリンクはお金で買うのではなく、なんと持参した生ごみと交換できるのです。
エネカフェメタンに到着した子どもたちを笑顔で迎えてくれた多田先生。
到着後すぐ、前回子どもたちが仕込んだメタンガスに火がつくかを確認します。
仕込んだ生ゴミによって、生産されるガスの量がそれぞれ違っていたのを目で見て実感することができました。
ガスの量を確認したあとは、早速エネカフェメタンを体験!
カフェでは、メタンガスで沸かしたゴボウ茶が用意されています。
ゴボウ茶は子どもたちにとっては少し大人の味だったようですが、生ゴミとお茶が交換できる貴重な体験ができました。
小学生は生ゴミが分解する過程でできる液体肥料をカフェで育てている野菜にまいたり、中学生は小さな装置でもエネルギーが生まれる仕組みを多田先生にじっくりと質問するなど、それぞれの興味を深めてくれました。
街の暮らしに溶け込むグッドアイディアを体感できました!
さて、子どもたちは鳴子温泉の温泉熱で作った温泉卵をお土産に次の目的地「東北大学川渡フィールドセンター」に移動します。
自然から命とエネルギーをいただく
鳴子温泉からほど近い東北大学川渡フィールドセンターは、大学付属農場として全国一の規模を誇り、「食と環境のつながりを学ぶ」複合生態フィールド教育拠点です。
牛舎もあり、メタンガスだけでなく牛の胃液を利用した発電方法など新しいエネルギーの研究も進められています。
朝早くから南相馬を出発したので、そろそろおなかがすいてきた子どもたちのために、東北大学のブルーベーリー畑で収穫体験。
熟したブルーベリーの色を教えてもらって、緑の森に飛び込んでいきました。
大ぶりの実をを小さな手のひらに乗せると、みんなうれしそうな表情に。収穫したブルーベリーは昼食のときにいただきましょう!
さて、前回から続けて「牛」に注目して、メタンガスというエネルギーが生まれることを学んできましたが、そもそも牛は私たちの生活のなかに非常に関係が深い動物です。
フィールドセンターで牛のお世話をしている千葉先生は、普段給食で出てくる牛乳、おいしく食べるアイスクリームやケーキも元をたどれば牛からのいただきものと話します。
実は、牛一頭のお乳で一つの小学校分の牛乳がまかなえてしまうそうです。電気をおこすエネルギーを生み出すことはもちろんですが、その前に牛は私たちの生きるエネルギーを支えてくれる大切な存在であることを、子どもたちにも分かりやすい言葉で伝えてくださいました。
牛の胃液からエネルギーが作られる!?
さて、おなかをいっぱいにしたところで、まちにまった牛舎へと出発です。
牛舎では、つい1週間前に生まれたホルスタインの子牛が子どもたちを出迎えてくれました。
牛を初めて間近でみる子も多く、その大きさと迫力に少し圧倒されていました。
えさを手にもち、おそるおそるあげる子、慣れた手つきでえさを食べさせている子とそれぞれの距離感で牛に接していました。
そして、最後に牛の胃液を利用して発電する「ルーメンメタン発電」を見学させていただき、一日が終了。
改めて牛から生まれるたくさんのエネルギーについて学びを深めることができた一日となりました。
子どもたちとって、今日見て体感したことが、これからの学びや気づきにつながり、それぞれの興味を深めるきっかけとなれば、私たちはうれしい限りです。