【レポート公開】クリスマス再エネ体験教室

  • 小中学生
  • 2016.12.26 Mon
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市内外の参加者が再エネを学ぶ場に

12月17日(土)、23日(祝・金)、24日(土)の3日間に渡り、クリスマス再エネ体験教室を開催いたしました。

 

本教室は、南相馬市再生可能エネルギー普及啓発事業の一環で、2016年6月から12月まで、
再生可能エネルギーを「知る」、「学ぶ」、「作る」を目的として合計15回の教室を開催。

 

半年間で小学生から大人まで、約400人の方に参加いただき、市内だけでなく、
仙台や東京から参加してくれたご家族もいらっしゃいました。

 

半年間の体験の最後を飾るクリスマス再エネ体験教室では、3日間とも「工作」を通して、
子どもたちが再エネに興味関心を持っていただけるようなプログラムをご用意しました。

 

手作り発電機で学ぶ、再エネの可能性とは

12月17日(土)、第13回「再生可能エネルギー工作教室~いろんな発電方法を体感しよう!」では、
地元小高工業高校の井戸川義英先生が、手作りの様々な発電機を使って、電気を生み出す仕組みを説明してくださいました。

 

初めて見る不思議な形をした発電機に、子どもたちも教室が始まる前から興味津々の様子が伝わってきます。

 

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オリジナル発電機
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お料理!? ではなく、地熱発電の仕組みが分かる装置です
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早く体験したくてたまらない様子
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手回し発電でLEDを点灯!

 

 

その中でも、クリスマスツリーの灯りを手回し発電機で灯す体験は子どもたちに大人気でした!

 

ソーラーパネルやダムで行われる水力発電など、大きなエネルギーを生み出すためには、広い場所や大きな施設・装置が必要ですよね。
でもちょっとしたアイディアと身近なものを上手に組み合わせれば、普段の暮らしのなかで自分が今、必要なだけのエネルギーを生み出すことができる!

 

電気はもらうだけでなく、自分の手で作り出せるんだ!そんな可能性を体験の中から感じることができました。

 

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高校生のお兄さんに教えてもらいながら、 プラスチックパネルに絵をかきました
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女の子も上手にはんだごてを使い工作をしていきました

 

ネパールの子どもたちへ! 届けよう希望の灯り

第14回「ソーラーパネルをつくろう!~海外の子どもたちに希望の灯を~」では、パークでもおなじみとなった、いわきおてんとSUN企業組合の島村さん、吉田さん、中村さんとともに、ソーラーパネルを手作りしました。

 

この日作ったソーラーパネルは、2015年の大地震で被害を受けたネパールの子どもたちへ、2017年の3月、島村さん、中村さんの手によって届けられます。

 

さて、どうするかと悩んでいたとき、子どもたちから「いま、一番このパネルを必要としている人に届けてほしい」
という声があがりました。

 

その一言が、ネパールやミクロネシアなど自然災害で被害にあった国や電気が不足している地域の皆さんへ灯りを届ける活動につながっているそうです。

 

半日をかけて、セルをはんだごてでつなげ、ラミネート加工までを22人の子どもと大人が力を合わせて行い、一枚のソーラーパネルを完成させることができました。

 

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映像でネパールの現状を学びました
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高校生がしっかりとサポートしてくれるのも再エネ教室のよいところ
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パネルを割らないように丁寧にはんだをつけました
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ラミネート板を置く瞬間は全員で息をのみました

 

 

パネル完成後、ネパールの子どもたちに向けてお手紙を書きました。

 

手紙には、同じ地震の苦労を感じたネパールの人たちへの労りや励ましのメッセージが書き込まれていきました。
再エネは東日本大震災以降、私たちの暮らしを支えるエネルギーとして大きな注目をされ、メガソーラーの建設などが進んできました。
便利な暮らしを続けるための新たな選択肢の一つとして。

 

しかし、今日の体験を通して、再エネをクリーンなエネルギーとしてだけ理解するのではなく、
使い方次第でどこかの国の誰かを笑顔にする力をもつことを子どもたちには学んでほしい。
そんな想いが沸き上がった一日となりました。

 

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ラミネートを行うおてんと号までは、お父さんたちが運んでくれました
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みんなの想いがつまったお手紙が完成
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パネルが完成!子どもたちの想いがネパールの子どもたちに届きますように!

 

自分たちの未来を考えられる人に成長してほしい

12月24日(土)、第15回「再エネクリスマスイベント~工作をとおして再エネを知ろう」。
最終回のこの日、市内だけでなく相馬市からも申込があり、満員御礼での開催となりました。
この日は、南相馬で採れる菜種で作った油を利用して、キャンドルの作成に挑戦しました。

 

キャンドルが固まる間には、夏の再エネフェスティバルで協力いただいた、
日新電機株式会社の皆さんがが飛び入り講義を開催。

 

初めての参加者が多かったこともあり、もう一度、電気が生まれる仕組みを振り返ることができました。
「電気を起こすためにはどんな発電方法があるかな?」という質問では、
半年間、様々なエネルギーに触れ学んできた子どもたちから「水力」「風力」「太陽光」の言葉が出てきました。

 

子どもたちが積極的に発言する様子には、日新電機さんも驚いたとのこと。
京都で理科教室を開いたとき、どんなエネルギーで発電されているか、子どもたちからなかなか言葉がでなかったこともあったそうです。

 

ミニ講義のあとは、「南相馬の再エネの未来」のジオラマ製作。

 

暮らしを豊かにする発電所の模型だけでなく、その電気をお家に届ける
送電線まで、リアルにつくる子もいて、子どもの発想力には目を見張るものがありました。

 

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好きな色のクレヨンを削って色付けしていきます
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出来上がったキャンドル
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日新電機の皆さんが飛び入りで講義を開催
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自分たちの街の未来は自分たちで考えよう!

 

 

南相馬市役所と共に2013年から再エネの普及啓発事業を継続していますが、
一回、一回の教室で大切にしていることの一つに「発表」があります。

 

再エネを学ぶのはもちろんのこと、その学びのどんなところが楽しかったのか、興味をもったのかを毎回子どもたちに問いかけ、発表してもらっています。
初めのうちはなかなか手も挙がらず、言葉に詰まる子も多かったですが、3年間で発表に前向きな子が増えてきたという実感をもつまでに至りました。

 

発表の力も付けながら、着実に再エネへの理解を深めている。
そのことを改めて知ることができた最終回となりました。

 

教室の終わりには、今年一年の感謝を込めて、MJCのミニコンサートを参加者の皆さんにプレゼント。
MJCの皆さんには素晴らしい歌声を披露していただきました。

 

全15回、参加いただいた皆さま、南相馬市新エネルギー課のご担当者様、
ご協力いただいた講師の先生方、ボランティアスタッフとして活躍してくれた高校生、
チラシやポスターの掲示にご協力いただきました関係各位に御礼申し上げます。

 

これからも再エネを通した学びの場を市民の皆さまにご提供できるよう、講師の先生方とともに前進いたします。
半年間、ありがとうございました。

 

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