第27回「高校生あすびと塾」レポート(10月30日開催)前半

  • 高校生
  • 2016.11.3 Thu
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10月30日(日)、福島市にて「高校生あすびと塾」を開催しました。

今回で通算27回目となる「高校生あすびと塾」には、浜通り、中通りから

11名の高校生が集まりました。

 

普段のあすびと塾参加者は1,2年生が中心となっていますが、

今日は懐かしい3年生の顔ぶれも。受験勉強の佳境を迎えるにあたって、

心を整えるために参加してくれたようです。

 

この「高校生あすびと塾」は、県内の高校生を対象に毎月開催している

社会起業塾です。県内で活躍する若い起業家を講師に招いたり、

一般社団法人あすびと福島代表の半谷自身の経験などをもとに、

自身の志を事業にする心構えを学んでいきます。

 

今回は、半谷の進行で「南相馬の新センターハウスをどう使うか」を考える

グループワークと、宮城県石巻の体験学習施設MORIUMIUSよりお越しいただいた

油井さんの講義、二本立てで開催しました。

 

 

 

実行委員会は君たちだ

まず午前中は半谷より、待ちに待った南相馬ソーラー・アグリパークの

新センターハウス竣工の報告と、この拠点を今後どのように活用していきたいか、

高校生の目線で考えていきました。

 

あすびと福島の拠点である南相馬ソーラー・アグリパークには、

これまでにも多くの人々が訪れ、再生可能エネルギーの体験事業や

企業研修の受け入れを行ってきました。

 

受け入れ態勢の充実や、地域住民の交流の場としても活用できるようにと

この秋に完成したのが新センターハウスです。

 

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スライドに映し出された新センターハウスの写真に、高校生たちも目を輝かせます。

これまで仮設だった建物から、延べ床面積は約4倍の327.5㎡に。

キッチンや囲炉裏、階段教室、テラスなどが映し出されました。

 

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これらを一通り説明した後、半谷からはこう問いかけます。

 

「この場所を、高校生の活動の拠点にしていきたい。

自分が自由に使えるのだとしたら、どう使う?」

 

目的と手段の関係を考え、実行委員会になったつもりで2~3案にしぼり提案する。

それが午前中のディスカッションテーマです。

 

まずは個人でポストイットにアイデアを書き出し、

グループごとに共有して話し合いが進められていきました。

 

 

情報から新しい価値をつくる

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グループごとに、まずは出たアイデアを共有していきます。

「何を目的にどう使うか」を考えながら、様々な意見が出ていました。

 

「小中学生の宿題を高校生が教えてあげるのはどう?」

「階段教室に楽器を並べたら、壮観だと思う」

「震災を伝える、という役割も大事なのでは」

「バスが通っていないなら、交通手段がないと行くのが難しいよ」

 

今回は中通りの高校生が中心に参加していたこともあり、南相馬から来た高校生が

まちの様子を説明する場面も。地域の様子を想像しながら、必要とされることを考えていきます。

想像力を働かせながら、最後に出そろったのは次のような提案でした。

 

「あすびと福島を知ってもらい、新たな人との繋がりから刺激を得るために、

エネルギーについて学ぶなど、世代を超えた交流を行う」

「高校生の人材育成のために、高校生プチ合宿を行う。ディスカッションや発表のほか、夜にはBBQ」

「福島の食を伝えるために、地産地消や『食べる通信』などをからめたマルシェやBBQを開く」

「あすびと塾の拡大で同年代の人々を繋げるために、東北の高校生を対象としたあすびと塾を開催する」

「学力アップに向けた学習場所の確保を目的に、会議室を学習スペースとして開放する。

また、大学生が地元の学生に勉強を教える」

 

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自分たちがやりたいこと、そして地域に求められそうなこと、さらには

あすびと福島のやりたいこと・できることを考える様子が見受けられました。

半谷はこれらのワークを、「事業仮説を作った、ということ」と説明します。

 

「今のワークでは、最初に共有した新センターハウスの情報をもとに、事業仮説を作った。

情報から新しい価値や、人生の仮説を作る能力、これを『仮説構築能力』という。

そのときには、第三者のwinを想像できるかが大事」(半谷)

 

しかし、新しい価値や人生を見通せる人はなかなかいません。

だからこそ、目的は不変でも、手段は可変。

いろんな手段を思いつき、右左に行きながら道は見えてくるものだと半谷は伝えます。

 

午後のMORIUMIUS・油井さんのお話も、ひとつの情報として自分の考えを深めていってほしい。

そんなメッセージで午前のワークが締めくくられました。

 

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