10月30日(日)、福島市にて「高校生あすびと塾」を開催しました。
今回で通算27回目となる「高校生あすびと塾」には、浜通り、中通りから
11名の高校生が集まりました。
普段のあすびと塾参加者は1,2年生が中心となっていますが、
今日は懐かしい3年生の顔ぶれも。受験勉強の佳境を迎えるにあたって、
心を整えるために参加してくれたようです。
この「高校生あすびと塾」は、県内の高校生を対象に毎月開催している
社会起業塾です。県内で活躍する若い起業家を講師に招いたり、
一般社団法人あすびと福島代表の半谷自身の経験などをもとに、
自身の志を事業にする心構えを学んでいきます。
今回は、半谷の進行で「南相馬の新センターハウスをどう使うか」を考える
グループワークと、宮城県石巻の体験学習施設MORIUMIUSよりお越しいただいた
油井さんの講義、二本立てで開催しました。
実行委員会は君たちだ
まず午前中は半谷より、待ちに待った南相馬ソーラー・アグリパークの
新センターハウス竣工の報告と、この拠点を今後どのように活用していきたいか、
高校生の目線で考えていきました。
あすびと福島の拠点である南相馬ソーラー・アグリパークには、
これまでにも多くの人々が訪れ、再生可能エネルギーの体験事業や
企業研修の受け入れを行ってきました。
受け入れ態勢の充実や、地域住民の交流の場としても活用できるようにと
この秋に完成したのが新センターハウスです。
スライドに映し出された新センターハウスの写真に、高校生たちも目を輝かせます。
これまで仮設だった建物から、延べ床面積は約4倍の327.5㎡に。
キッチンや囲炉裏、階段教室、テラスなどが映し出されました。
これらを一通り説明した後、半谷からはこう問いかけます。
「この場所を、高校生の活動の拠点にしていきたい。
自分が自由に使えるのだとしたら、どう使う?」
目的と手段の関係を考え、実行委員会になったつもりで2~3案にしぼり提案する。
それが午前中のディスカッションテーマです。
まずは個人でポストイットにアイデアを書き出し、
グループごとに共有して話し合いが進められていきました。
情報から新しい価値をつくる
グループごとに、まずは出たアイデアを共有していきます。
「何を目的にどう使うか」を考えながら、様々な意見が出ていました。
「小中学生の宿題を高校生が教えてあげるのはどう?」
「階段教室に楽器を並べたら、壮観だと思う」
「震災を伝える、という役割も大事なのでは」
「バスが通っていないなら、交通手段がないと行くのが難しいよ」
今回は中通りの高校生が中心に参加していたこともあり、南相馬から来た高校生が
まちの様子を説明する場面も。地域の様子を想像しながら、必要とされることを考えていきます。
想像力を働かせながら、最後に出そろったのは次のような提案でした。
「あすびと福島を知ってもらい、新たな人との繋がりから刺激を得るために、
エネルギーについて学ぶなど、世代を超えた交流を行う」
「高校生の人材育成のために、高校生プチ合宿を行う。ディスカッションや発表のほか、夜にはBBQ」
「福島の食を伝えるために、地産地消や『食べる通信』などをからめたマルシェやBBQを開く」
「あすびと塾の拡大で同年代の人々を繋げるために、東北の高校生を対象としたあすびと塾を開催する」
「学力アップに向けた学習場所の確保を目的に、会議室を学習スペースとして開放する。
また、大学生が地元の学生に勉強を教える」
自分たちがやりたいこと、そして地域に求められそうなこと、さらには
あすびと福島のやりたいこと・できることを考える様子が見受けられました。
半谷はこれらのワークを、「事業仮説を作った、ということ」と説明します。
「今のワークでは、最初に共有した新センターハウスの情報をもとに、事業仮説を作った。
情報から新しい価値や、人生の仮説を作る能力、これを『仮説構築能力』という。
そのときには、第三者のwinを想像できるかが大事」(半谷)
しかし、新しい価値や人生を見通せる人はなかなかいません。
だからこそ、目的は不変でも、手段は可変。
いろんな手段を思いつき、右左に行きながら道は見えてくるものだと半谷は伝えます。
午後のMORIUMIUS・油井さんのお話も、ひとつの情報として自分の考えを深めていってほしい。
そんなメッセージで午前のワークが締めくくられました。