学生たちそれぞれの感性で受け止めるケーススタディ ~(ケースC)~

  • 大学生
  • 2020.5.27 Wed
2020-05-23 (7)

「組織論」や「リスクへの向き合い方」にも及んだケースCの本質

 

高校生時代からあすびと福島のプロジェクトを一緒に活動した福島県出身の学生たちと4月から始めたオンラインケーススタディ。
あすびと福島の代表自身のこれまでの事業開発のケースを基に、現在3グループ8名の大学生が、一般的な授業とは異なった双方向の学びの場としてケースA,B,Cの段階を踏んでいます。

 

今回は、その3グループの中の最後のグループの3名が、3番目のケースであるケースCに取り組みました。
このケーススタディに、決まった答えはありません。
予定調和的な学びではなく、あすびと福島のスタッフと対話の時間を持ち、感じたこと、自分だったらどう行動するか、
それにより目指す本質は何なのかを、じっくりとそれぞれの感性をぶつけあって読み解いていきます。
グループによって違った考えが出てくるところが、我々にとっても面白いところ。

「自分事」として感じて行動することの大切さを本質として見出したグループもあれば、

今回のグループは「チームビルディング」や「組織論」、そのためにチームの一員それぞれがどう行動するか、
という観点で捉えた学生が多かったようです。

 

2020-05-23 (9)

 

【学生たちが感じたケースCの本質】

 

〇スタッフ全員が臨機応変に一丸となって動くことができるように、困難な状況にあっても、その時の情報を皆で共有することが本質では。

〇人を巻き込む力を感じた。ケースCでは赤字解消のためにスタッフたちの柔軟な努力があり、そこにはリーダーと志を同じくするスタッフたちの知恵が集まっていた。
では、なぜそれができたかを深堀りすると、リーダーはスタッフに対して目線を下げて情報を開示し、それに対してスタッフたちが自分たちにできることは何か、と目線を上げたからだと思う。

〇信頼の獲得が本質。地元の皆さんからの要請に応えて築いた外部からの信頼、そして目的を達成しようと能動的に動くスタッフたちの内部からの信頼、どちらのベクトルがなくても、本当の信頼には繋がらない。
そのためには情報共有が必要であり、紙切れやマニュアルだけの共有ではなく、ホットな現場で情報をダイレクトに共有したからこそ、実績につながったはず。

 

このように、内外の組織の中での関係性の作り方について、3名の学生それぞれに多様な受け止め方がありました。

 

「紙切れではない情報共有と学生が言葉にしたように、同じ船に乗って、同じ釜の飯を食って、同じ井戸を掘る。つまり、時間と空間を共に過ごす原体験が、情報共有に加えてスタッフ一人一人の行動に火をつけた原動力だった」と、代表は振り返りました。

これは、あすびと福島という組織や、学生たちに伴走して進めている様々なプロジェクトでも共通している大切なスタンスで、「ともに経験を重ねる」「同じ苦労を共有化する」ことが、実績につながった時の喜びと強いチームへと向かう掛け算のような力になると、代表は続けます。

 

2020-05-23 (5)

 

代表から最後にこんな話がありました。
大学生たちは、これから沢山の知識を得ていくでしょう。一方、知識だけでは、何か新しいことをやる時に必ず立ちはだかるリスクは恐れる対象であり、それから離れたままになってしまう。
自分のやりたいことの延長に社会的な価値を創ろうと志を持った時こそ、リスクは乗り越える対象になる。その時には、知識は、リスクの洗い出しや解決手段の戦力として使える。手段が何度失敗しても、乗り越えたいと思えば何度もリスクに向き合っていけるはず。乗り越えたいという志を持つには、感性から生まれる熱量が必要。
感性と熱量が伴わない、知識だけの状態では、リスクをいつまでも恐れるだけで、それを乗り越えられない。乗り越えれば、夢が叶うのに。

 

このようなメッセージを、自身の3本のケースを通じて、代表は繰り返し伝えてきました。
そして、それを経て、学生たちは、ケースの本質を自分事として共有する言語化の力が高まってきたことを実感します。
次回は3グループが合同で、これまでの3本のケースで感じたこと、得たことをさらに多様な意見を織り交ぜて深めていく時間を持つ予定です。

 

本質は言葉で語れば、みんなが持てますが、要はその本質をどのように行動に結びつけるか、です。

それぞれの学生生活は、その行動のステージでもあります。学生たちに、このケーススタディが行動を後押しするものになれば、と願っています。

関連記事