12月22日(木)、今年最後の「高校生あすびと塾」を開催しました!
高校生たちもいよいよ冬休み。クリスマスも目前の今回はクリスマス会と合わせて
実践的なフィールドワークを行うべく、南相馬市へと案内しました。
あすびと福島の拠点「南相馬ソーラー・アグリパーク」のある南相馬へは、
福島市から車で2時間弱の道のりです。
受験を終えた3年生含め、1~3年生の9名が参加。
南相馬に到着した一行は、「南相馬トマト菜園」へと向かいました。
目の当たりにした『年間900万トン』の大きさ
まずは半谷が農業経営人材の育成のために1年前に立ち上げた「南相馬トマト菜園」の見学から。
ここで生産されるトマトは「あすびとトマト」という名で県内でも販売されています。
半谷からの話で聞いていたり、家で食べたことがあるという高校生たち。
けれども実際の菜園を目にするのは、今回が初めてです。
到着すると、車窓から見えてきたのは緑色の大きなとぐろ。
昨年12月に栽培を開始し、60名以上の方の雇用の場にもなっているこのトマト菜園は、
土を使わずに大型温室で育てる特殊な栽培方法(環境制御型養液栽培)を用いています。
苗を植えてから1年間にわたって収穫できるため、その苗の長さは20m以上にも及ぶほど。
この日はちょうど、苗の作替え作業最終日ということで、1年間の役目を終えたトマトの茎が
バックヤードへを運ばれていたのでした。
続いては外から、1.5ヘクタール(100m×150m)という大型温室を見学。
溶液が流れるチューブや先が見えないほど広い菜園の様子を、どう受け止めたのでしょうか。
これからの新しい一次産業の在り方とも言えるような「植物工場」の姿、
1年間で900万トンものトマトを生産した菜園の規模感を目の当たりにした高校生たちは
ただの「ビニルハウス栽培」ではない事業の大きさを実感した様子でした。
WIN-WIN-WINで相手を動かすには
続いては新センターハウスに移動して、菜園の見学を踏まえたワークを実施。
半谷がなぜトマト菜園に着目したのか、どのように販路開拓に臨んだのかなどを考えます。
ここ数カ月のあすびと塾で学んできたことのひとつが、「仮説構築力」。
高校生たちはみずからの「志」を達成するために、与えられた情報から
様々な仮説を立てることの大切さを学んできました。
世界各国のトマト消費量などのバックデータから「仮説を立てる」というのが、今回のワークの目的です。
与えられたのは、「日本のトマト消費量の年間推移」と「世界各国のトマト消費量」を表した図表。
「相手にとっては大きな買い物になる。全量出荷を相手企業に受け入れてもらうためには、
相手にとってのメリットもないといけない。僕が2年前に何をどう伝えたのか、考えてみてほしい」と半谷。
グループごとに様々な仮説が議論が始まりました。
「目的は農業経営者の育成だから、これを達成できないと」
「南相馬でやることが社会貢献になり、相手にとっても消費者へのイメージアップになるのでは?」
「出てきた案は、自分たちのメリット、相手のメリットと社会貢献に分けられそうだね」
そんなアイデアが次々とポストイットで分類され、WIN-WIN-WINの関係を組み立てようとする姿には、
これまでの学びをしっかり生かしている成長が感じられました。(後半に続きます)