今年度7回目の開催となった高校生あすびと塾を開催しました。
受験を終えた福島高校3年生をはじめ9名が参加。
高校生たちが実は日々気になっている進路選択や受験勉強などについて、
闊達なやり取りが行われる場面もありました。
後輩たちが投げかける疑問や不安に答えていく3年生の姿は、さすがに堂々としたもの。
自分にとってあすびと塾がどんな場であったかという振り返りとともに、
経験に基づく力強いアドバイスを残してくれました。
さらに午後には、昨年11月にオープンした新センターハウスでの
イベント開催に向け実行委員会が発足!
この夏、高校生たちは南相馬で「何か」を起こします。
当日の様子を前後編でお伝えします。
あすびと塾は”消化できる場”だった
この日は、あすびと塾にとって久しぶりとなる先輩が姿を見せてくれました。
福島高校3年生の三澤由佳さんが、志望校合格の報告も兼ねて参加してくれたのです。
1年生のときから「高校生のためのオープンスクール(現あすびと塾)」に参加し、
「高校生が伝えるふくしま食べる通信」の編集部員としても熱心に活動してきた三澤さん。
1、2年生のなかには「由佳先輩みたいに、上手に生産者さんの言葉を引き出す
インタビューができたら」と憧れる学生も少なくありません。
そんな先輩の志望校合格という嬉しいニュースとともに、
あすびと塾に対する思いを語ってくれました。
あすびと塾は、”消化できる場”だった
高校入学後に囲碁部に入った三澤さんは、経験者に敵わない難しさや周囲の友人に
「なぜ囲碁部?」と理解されない辛さを味わったこともあったそう。
けれども友人に誘われて初めて足を運んだオープンスクールで、
理解してくれる仲間と出会えたと話します。
様々な高校から学年を超えた高校生たちが集まるこの場で、
彼女は囲碁部の楽しさも伝えようと挑戦しました。
「ここに来たとき、”すごいね”と分かってくれる人がいたんです。
自分の想いを出していいんだって感じられました」(三澤さん)
行動力と粘り強さは人一倍強い彼女は、自身で調べたり足を運びながら
多くの情報を得てきた反面、消化しきれないこともあったようです。
「いろんなことをやっているうちに、自分が情報に飲まれちゃうというか。
そんなとき、ここは情報を消化できる場でした。
消化することで、次のやることが見えてきたんです」(三澤さん)
自分のやりたいことを模索しながら進んできた三澤さんにとって、
あすびと塾は自分自身の志を再確認できる機会になっていたのかもしれません。
なかでも彼女が大切にしてきたのは「人との出会い」。
出会った人に自分の想いを伝えることで、自分の道がどんどん決まっていったのだそうです。
自分の考えを消化する場の重要性を伝えたい、そういった機会を作りたいとの思いから、
「その手段を大学で学びたい」と熱意を語ってくれました。
憧れの先輩から学ぶ
ずっと考えていた進路からの変更、理系クラスからの文転など、
悩みつつ色々な挑戦を経て今後の進路を見いだした先輩の姿は、
後輩たちの目にどう写ったのでしょう。
グループごとに三澤さんへの質問を考え、発表してもらいました。
回数を重ねるごとに、こうしたグループワークでも受け身ではなく、
積極的に取り組む高校生の姿が見られるように感じます。
意見を言う、みんなをまとめようとするといった分かりやすい「積極性」とは限りません。
相手の意見に「いいね!」と反応を示すなど、発表しやすい雰囲気を作る、
進んで書記役に徹するなど、7回目ともなるとそれぞれのリーダーシップも見受けられました。
「やりたいことを色々やってきたと言っていましたが、やりたいことの判断基準は何でしたか?」
「やらなきゃいけないこととやりたいこと、どう両立しましたか?」
「文転に対する周りの反応をどう思いました?」
「人との繫がりって、どうやって作ればいいですか?」etc…
三澤さんの具体的なエピソードやノウハウも交えた回答は、
後輩たちにとって大きな学びになったようです。
「自分がやりたいことは全部やってほしいと思います。意外とできるから」(三澤さん)
そんな先輩の応援メッセージに、1・2年生からは
「頑張れるかは、やりたいことに対する気持ちがどれだけ大きいかなのだと思う」
「自分がやりたいことをやったのだから、頑張るのは当たり前だと気付けた」
といった感想がありました。
互いに刺激し合う高生たちの姿からは、着実に生まれつつある憧れの連鎖を感じました。
(後編に続きます)