1年前からロボット「pepper」にイノベ構想の内容をプログラミングしてきた高校生「あすびとユース」が、同世代の高校生たち向けに、福島イノベーション・コースト構想のフィールドツアーを行いました。
あすびとユースの活動を通して、自分たちなりに理解を深めてきたイノベ構想について、もっと高校生に知ってほしい、自分たちも現場を訪ねて深く学びたい・・・そんな思いから始まった初企画です。高校生が企画する、高校生のためのイノベツアーには、バスも満席になる19名が参加。原町高校、相馬高校、小高産業技術高校、相馬農業高校の1〜3年生が集まり、まずは市内原町区の伊賀いちご園へ向かいました。
伊賀いちご園では、ビニールハウスの中で3種類のいちごを栽培しています。元は田んぼだった土地で、30年にわたり育てる上ではたくさんの工夫があるそう。世界的には、コンピューターを用いて秒単位で温度を調整するオランダのいちご栽培が最先端だそうですが、伊賀いちご園では土を使った露地栽培・遮光も手動ながらも、良い土を作るための努力が重ねられているそうです。
「効率化より何より、美味しいいちごを作りたい。そのために土を良くしたいから、他の農家がやっていないことでも、どんどん挑戦している」
その言葉通り、「章姫(あきひめ)」という品種を収穫・試食させていただくと、大きくて甘くて味が濃い!参加した高校生からも、「家で食べる章姫と違う」「あまり味が薄くて好きじゃないイメージだったけど、美味しい!」など、感激の声が上がりました。
続いて、市内小高区でお米や大豆を育てる紅梅夢ファームへ。避難指示が出され、人口が0になった地域にいち早く戻り、田んぼの瓦礫を拾い集めながら、営農再開へと歩みを進めてきました。マッピングのデータを元に自動で作業するロボットトラクタを用いて、新技術を取り入れた効率的な農業を行っています。
若いスタッフも多く、代表の佐藤さんのもとには昨年、今年と新卒の社員が入社しました。ロボットトラクタには免許とは別に座学と実技試験を経て得られる資格が必要であり、社員全員が取得しているそうです。年齢に関係なくざっくばらんな意見交換を行いながら、みんなで進めていると言いますが、佐藤さんの口からは「効率」という言葉が何度も登場しました。
「農業は大変で給料も低いイメージもあるだろうが、うちでは他の農家と比べても給与水準は高いし、一般企業と遜色ない。効率化することで2年目にして黒字化できており、GAP-Fも取得できた。日々の業務に加えて、計測したりと手間はあるが、それが結果に繋がるという共通の目標となっているので、みんな一生懸命やっている」
そんな佐藤さんの言葉に、農業の可能性を感じる高校生も多かったことと思います。実際に現場で取り組む方の話を聞き、農業を身近に感じるだけでなく、その魅力の一部も体感することができました。
午後はロボットテストフィールドへ向かい、さらに南相馬ソーラー・アグリパークで振り返りを行いました。
(後半へ続く ※5/7公開予定)