”あすびと”へ向かって前進する大野翔太郎君
福島県郡山市の県立安積高校を卒業した大野翔太郎さん。
「あすびと塾」そして「高校生が伝えるふくしま食べる通信」メンバーとして活躍しました。1年間の浪人生活を経て、4月から早稲田大学に進学し、福島と自分自身の関係性を見つめながら前進しています。
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自分にとっての「あすびと塾」や「高校生が伝えるふくしま食べる通信」
僕は郡山の出身なので、震災による沿岸部の被害は何となく他人事のように感じていました。高校2年生の時、フィールドワークであすびと福島が運営する「南相馬ソーラー・アグリパーク」に足を運び、高校生のための「あすびと塾」という場の存在を知り、それ以降参画するようになりました。
それまでの自分は、たてまえが優先で、どこか空気を呼んだ発言をしたり、周りの顔色をうかがいながら自分の意思もなく生きていました。あすびと塾では、自分の気持ちに正直な発言ができるようになり、それまでの自分を改善することができました。「志を明確にする」というファーストステップを通して、自分のことを見つめなおす機会が与えられたことは、目標を発見するために必要なことでした。自分で限界を決めてレベルを設定せずに、もう1年頑張って、切磋琢磨できる仲間とともに学習環境を追い求める貪欲さを持てたのはあすびと塾のお陰だと思っています。
自分自身の夢、福島との向き合い方
大学の入試の際に論文を書く機会があり、改めて「自分が地域を盛り上げていく先導役になる」という覚悟を持ちました。
僕の実家は134年続く老舗すき焼き屋です。長男として家業を継ぐ覚悟があり、それまで5代続いてこれたお客様からの信頼をベースに、経営者としてそこに参画することができる環境があるのはとても恵まれたことだとも思っています。だからこそ、そこで目標を立てているのが「最高のおもてなしをしたい」ということ。料理も、接客も、最高のシーンに相応しい店づくりをすること。あすびと塾に参加したことで、こんな具体的な目標を立てることができました。
そのために、大学時代をどう過ごせばいいか。
僕が通っている学部は、文理融合学部なので、自分の関心のあるテーマの授業を取っています。その中で、教育工学(教育と心理の掛け合わせ)に興味を持ち、学び始めましたが、経営にも地域の活性化にも人材育成が必要だと改めて気が付きました。一人の力では成し遂げることができないことを、周りを巻き込んでいくことで実現できる。大学ではそのような「人づくり」の観点もしっかりと身に着けたいと思っています。