高校生あすびと塾、実践編が始動
25回目を迎えた高校生のオープンスクール「高校生あすびと塾」は、今回より
新しい形式へとリニューアル。あすびと塾に参加していた高校生の志から生まれた事業
「高校生が伝えるふくしま食べる通信」を題材に、実践の場として始動しました。
「高校生が伝えるふくしま食べる通信」とは、福島の高校生が発信する
食材付きの情報誌。福島の生産者の熱い想いを、旬の農作物の付録つきで
お届けしています。
2014年冬に創刊して以来、3ヶ月に1回発行してきたこの情報誌では、
高校生たちが生産者のもとを訪れ実際に見聞きしたことを編集し、
全国の読者へと発信しています。
今回はスペシャルアドバイザーとして、スクール立ち上げ期から協働で
企画・運営に関わってくださっている環境ジャーナリストで東京都市大学教授の
枝廣淳子さんより、取材や編集のポイントをご指導いただきました。
想いを引き出し、伝えるために知っておきたいこと
午前中の編集会議から午後の取材、そして振り返りまで、「伝えるプロ」である
枝廣さんにノウハウを学びながらの1日がスタート。
今回は「高校生が伝えるふくしま食べる通信(以下、こうふく通信)」の
発起人でもある初代編集長・菅野智香さん(明治大学1年生)も参加してくれました。
これまで代替わりをしながら、県内各地の高校生たちが編集部員となり進めてきた「こうふく通信」。
初代編集長の「大好きな福島が誤解されて悔しい」という思いと、それを打開するべく生まれた
「こうふく通信」の目的に共感する高校生たちが、その志を引き継いでくれています。
まずは枝廣さんのファシリテーションのもと、「こうふく通信」の役割や
そこに携わる自身の想いなどを改めて明らかにしていきました。
全国にいる読者に伝えたいのは、生産者の想いです。どうすればその想いが伝わるのか、
それを考える上で枝廣さんは高校生たちに「人が買うのは『モノ』ではなく『感動』です。
みんなはどんなときに感動する?」と問い掛けます。
「この『感動』を作り出す要素はいくつかあります。ひとつは『驚き』、
つまりギャップです。自分が仮定していたものと違う事実に出会うときに
生まれます。
もうひとつは『ストーリー』。人は『ストーリー』に感情移入し、
共感することで感動します。みなさんが取材するなかで感じる『驚き』を
大事にしてください。
そこにあるストーリーを意識してインタビューすることが必要です。」(枝廣さん)
はじめから聞くことを準備するのはもちろんだけれど、話のなかで感じる自身の発見、
驚きを大事にすることで、読者を感動させるリアルな情報が見つかっていく。
そんな取材の心構えを教わり、須賀川の渡辺農園へと出発しました。